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「戦争の映画」を時系列で並べてみた件 ~Vol.6~
ここまで5つの連載。第二次世界大戦、太平洋戦争の終戦まで残り半年ぐらいに迫る。
色んな場所も、人も、いよいよ擦り減っていっている。
※実は4年ぐらい前の夏に急に思い立ってこの手の映画を片っ端から観たモノを抜粋して改めてご紹介してます。
これらも、他にもFilmarksでたくさんレビューを書いているのでよろしければどうぞ!
https://filmarks.com/users/matchypotter
20.『野火』(2014)
1945年中盤、フィリピン。
フィリピン、レイテ島。敗戦色が強まる中、逃げながら空腹、緊張感における極限状態で人としては超えてはいけない一線を垣間見てしまう日本軍を描く。
塚本晋也が監督と主演を務める。
ここに描かれるレイテ島の状況も、日本兵も。そして撮影も。
何もかもが執念のような、戦争の本質と人間の限界の先を見せてくる壮絶な作品。
公式サイトはこちらから。
21.『ハクソー・リッジ』(2016)
1945年5月、沖縄。
沖縄、嘉数高台。米軍衛生兵デズモンドが武器を持つことを拒否し、丸腰で苛烈な戦場を走り回り、75人の米兵の命を救う物語。
監督はメル・ギブソン。主演はアンドリュー・ガーフィールド。
ここで描かれるいわゆる“沖縄本土決戦”は実際も熾烈を極めた白兵戦として語り継がれており、その凄まじい地獄のような戦場の様相がリアルに描かれている。
このデズモンド衛生兵は実在していて、実際、終戦後に良心的な兵役拒否者としてアメリカ史上初の名誉勲章を受けている。
いよいよ太平洋戦争の終盤。日本の本土に近い沖縄に米兵が上陸した瞬間。
海の向こうで戦果を挙げて喜んでいた頃とは打って変わる、日本に忍び寄る影がすぐそこにいる、という日本人としても“いよいよ”を体感できる作品。
公式サイトはこちらから。
22.『あゝひめゆりの塔』(1968)
1945年5月~7月、沖縄。
看護女学隊「ひめゆり隊」。
鉄血勤皇隊と共に、沖縄本土での激闘に飲み込まれ、南端まで逃げ惑いながら戦火を生きる女性たちを描く。
主演は日本の銀幕の女王、吉永小百合。
“戦争の映画”にも関わらず、確固たる女優としての恐るべきオーラと美貌を解き放っている。
一言で言うと「こんな可愛い子がいるのか!」と映画の本題と違うところに目が釘付けにならざるを得ない。
上の世代の方々に彼女のファンは多いが、その意味がはっきりとわかる作品。
「ひめゆり隊」は女学生の看護婦部隊で、多くの兵士や民間人を救護しながら激烈な沖縄本土決戦を生き抜くのだが、この彼女たちの最期が何とも言えない切なさ。
史実として事実でどうにもできないことだが、どうにもやりきれない実話。
公式サイトはこちらから。
23.『ヒトラーの忘れもの』(2015)
1945年5月~、デンマーク。
ドイツ降伏直後のデンマーク。捕虜のドイツ軍の少年兵たちが戦後処理の過酷な地雷撤去作業を強いられる逸話。
自分たちの国がやったこととはいえ、そのしりぬぐいに捕虜の少年たちが駆り出される悲痛さがそこにある。
デンマークとドイツ合作というあまり観ない製作国の映画。
大人たちが繰り広げた戦争の後処理、現状回復を少年たちに強いる不条理とそれを監督する側のデンマーク人軍曹との関係性が印象的。
「そんなもん、忘れてんじゃないよ!」と言いたくなるが、そういうノリの映画ではない。
公式サイトはこちらから。
今回はここまで、1945年5月ぐらい。太平洋戦争終結の直前。
ドイツが第二次世界大戦で降伏をするのが1945年5月8日とされているまさにその前後。ここにも多くのドラマがある。
そういう意味だと、この頃になってくると、ヨーロッパよりも太平洋戦争が熾烈を極めていくのでそちら側の映画が多い。
~Vol.7へ続く~
当企画の過去の記事はこちら↓
matchypotterのFilmarksの映画レビューはこちら↓
野火のmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
ハクソー・リッジのmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
あゝひめゆりの塔のmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
ヒトラーの忘れもののmatchypotterの映画レビュー・感想・評価 | Filmarks映画
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